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RESEARCH 番外編 | 2019-05-04

【謎のカゴ2個】これは一体なに?その正体は、高い技術で農業を守っている装置だった!※グロ注意

突然ですが、宮古島を車で走っていると、不思議なものが目に飛び込んでくるんです。

これ。
バケツ?のような、カゴがふたつ、木にぶら下がっているんです。1個でも3個でもなく、必ず2個です。なんなんだろうと、前から疑問に感じていました。しかも、これは一箇所だけじゃないんです。

こんなところや、

あそこにも。島じゅう至る所で見かけます。一体誰が、何のために置いたのでしょうか。

近くに寄ってみました。鉄かアルミのような蓋がしてあり、中は見えません。番号が書かれていますが...何なのかまったく見当もつきません。

ここにもまたカゴが。ん?ここの左側のカゴ、よく見ると、周りになにか小さなものが蠢(うごめ)いているような..。良く見えないので近くに寄ってみます。

※グロ注意おびただしい数の羽の生えた小さな虫でした...。蜂にしては小さく、ハエにも似ていますが、少し違う感じです。

となりのバケツを見ると、「ウリミバエ」の文字が。もしかしてこの虫の事でしょうか。

「ウリミバエ」調べてみた

ウリミバエは腰がくびれ、一見ハチのように見える1cm足らずのミバエで、キュウリやゴーヤーなどウリ類を中心とした果実に親が産卵し、幼虫は果実の内部を食い荒らす。
もともと日本にはいなかったが、台湾から侵入したらしく、20世紀初頭に八重山で見つかり、-(中略)- 1980年頃には奄美群島を含む琉球列島全域に見られるようになった。

Wikipedia

ウリミバエ=ミバエというハエの一種なんですね。果実を食い荒らすということは、害虫か...。

画像を見つけました。あのバケツの周りに大量にいた虫は、まさにこれ。
でも、あれだけ大量に発生していたら、農作物への被害は大丈夫でしょうか。

【カゴの正体】ウリミバエ根絶のための仕掛けだった

さらに調べてみると、沖縄県病害虫防除技術センターのウェブサイトを見つけました。それによると、これまでの経緯は、以下のようなものです。

【大正時代〜】
沖縄や奄美では、ウリミバエが農作物に卵を産みつけ、農産業への被害をもたらしていた(被害が広がると困るので、農産物の本土への出荷は禁止されていた)
【昭和50年代〜】
施設を作り、特殊な方法で子供を産めない虫を大量に人工繁殖させる
自然界に大量の不妊虫を放つ
自然のウリミバエは不妊虫と交尾しても子供できない→徐々に虫の数減少
各島々で、次々と根絶に成功(農産業が回復)

あの謎のカゴの中には、子供を産まないウリミバエの蛹(さなぎ)が大量に入っていて、カゴから羽化した虫たちが自然界に飛び立っていくというわけですね。とすると、カゴの周囲にいたあの大量のウリミバエは、もしかしたら羽化したばかりの虫たちだったのかも知れません。

宮古諸島では1987年に根絶成功

ここ宮古諸島では、久米島に続き1987年に根絶が確認されました。
さらに、こちらの記事を見つけました。成虫から蛹放飼に変更/ウリミバエ不妊(宮古毎日新聞/2012年2月18日)
あのカゴは、2012年から設置されるようになったんですね。小さなこの島内に190カ所も設置していたら、よく見かける訳です。

農産業を守るために

関係者の努力の結果、ウリミバエの根絶に成功して、本当に良かったと思います。
しかし、観光業が盛んな沖縄は、人や物の移動がこれまで以上に活発になっていて、虫の再侵入のリスクは高まっているそうなんです。万が一ウリミバエに再定着されてしまった場合、マンゴーや野菜などの農産物の出荷が出来なくなり、農産業に大きな被害をもたらすことが懸念されています。【参考】ウリミバエ根絶から25年 再定着なら被害45億 人、モノ移動でリスク増
そのような事にならないよう、今でもこうして不妊虫放飼の事業が継続され、農業を守っているんですね。END

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